マルチワールドRPG・現代 ミステリー リプレイ作品 「呪われた婚礼」 KANAAN-PEPO 本作品において、実在の役者さん、また、横溝正史大先生に関連するキャラクターが登場しますが、本作品は完全なフィクションであり、実在及び創作人物とは全く関係ありません。そういう人々が持つ演技力などの観点からであって、イメージダウンを目的としたものではありません。 また、基本ストーリーなどは、これ以前に映画上映、テレビ放送されたものを基礎アイデアとして作者KANAAN-PEPOの創作によるものです。 創作にあたり、横溝先生のキャラクターを拝借しておりますが、ご遺族の許可を取っていない二次創作物です。 その点についてご了承頂ける方のみ本文に進んでください。 なお、横溝先生の原作を元にはしておりませんのでイメージが異なる場合があります。 また、実在の人物(役者さん)におきまして本文中では敬称略とさせて頂きます。 ・プレイヤーキャラクター紹介(キャラクター名順) 案出留 千    童話作家。 大宇曽 月太郎  亜区得弁護士商会の弁護士 鳴神 平一郎   私立探偵。 波多 戻樹    考古学者 美波 江郎    西日本新聞の新聞記者 結城 (名前なし)  嵐山総合病院に所属している医者。 キャラクターが作られていく様子は、mw_r01.txtを参照してください。 リンク先は下にあります。 プレイ日 92年12月20日 GM「さて、後に忘年会も控えて時間もないことだし早速始めよう。」 案出留「キャラクターは前回のままなんやね。」 GM「そういう事。時間だけがさかのぼったパラレルワールド(笑)」  MW_R01.TXTを読んでください。  そういうことです(笑)。 案出留「状況とかは?」 GM「全部リセットね(笑)。始めようか(と言ってVTRのスイッチを入れる)。」  音まで記録できないので説明しますと、スピーカーから角川映画の『犬神家の一族』のメインテーマ(愛のメロディ)が流れてます。  画面はわざと消してます(笑)。 (この時はCD持ってなかったんですよ、今はありますけど) 美波「なんかノってきたなぁ(笑)」 案出留「今スクリーンには、曲がった名前の一覧がでてるんやね(笑)」 GM「ほんま、スクリーンに相当する奴を準備してたんやんか。でもな、Windowsのシステムが不安定で作りかけのファイルを完全に壊してしもてな、もう一回作る時間がなかったんやんか。」 鳴神「やっぱりまだ、使えないなぁ(笑)」  余談ですが、当時はまだWindows3.0+MS-word1.2でした。  遅い上にめちゃめちゃ不安定だったのです〜 案出留「そこまでやるか〜(笑)」 GM「そのためにやな、キャストまで作ってたのに〜(笑)」 美波「超豪華なキャスト、出演者のギャラだけでも数億(笑)」 GM「そろえたらかかるかもね(笑)」 案出留「それやったら教えて(笑)」 GM「順番にね(笑)。ちなみに原作は横溝正史もどき。脚本、偽久里子亭。監督、市川昆(字が違う)。」 一同、爆笑。 GM「では、テーマが終わったところで状況から(笑)。」 美波「しつも〜ん。」 GM「何?」 美波「この金田一って誰なん?」 案出留「せやなぁ(笑)」 GM「ダブルキャスト(笑)石坂浩二と古谷一行(笑)。基本は石坂浩二。」 鳴神「いきなり豪華(笑)」 案出留「ということは、逆立ちはないと(笑)」 結城「何のこと?」 GM「古谷一行の金田一は、思考につまると逆立ちするって設定があるねん。」 結城「ふぅん、見てないからよくわからんわ(笑)」 波多「映画の方しか見てません。」 GM「あんまりそっちにばかり目をむけられても困るんやな(笑)。あくまでそれはシナリオの味付けにすぎないからね。」  シナリオの味付け・・・この先を読んでもらえば分かりますが、少し濃すぎたかもしれません(笑)。  石坂氏五部作、古谷氏のシリーズ見てない人には苦痛かも(笑) GM「冒頭の状況は前回と一緒やけど、忘れていると思うからもう一度簡単に説明するね。昭和30年、世間をにぎわせている婚礼がある。」 案出留「ロイヤルウェディングやね。」 GM「そう。元華族の青年、坂ノ上誠と新興の財閥・嵐山家の令嬢、忍の婚礼ね。もっとも婚礼そのものが騒がれているというよりも船を借り切った洋上の一大披露宴が原因なんだけどね。各界の名士といわれる人々が一堂に会しているからね。」 鳴神「すばらしき成金趣味(笑)」 GM「そういうこと(笑)。」 案出留「やっぱり船なんやね。」 GM「一種の密室空間を作りだすことが、余分な方向に気を向けさせないRPGでのミステリーに適していると思うんや。大昔のパソコンのアドベンチャーゲームのノリやね(笑)」  時代を溯らせているとはいえ、警察の介入はプレイヤーの行動を疎外しますし、下手に行動の選択肢を多くするとプレイヤーたちがかえって混乱するともいえます。  まぁ、初めての試みなんで(笑)。  このリプレイの入力時期(95年11月)なら、ちょうどはやるかも(笑)。  あたしは『××一少年』は大っ嫌いやけど・・・(;_;)。 追記1  ちなみにこんな事を書いてから、一年以上もほったらかしにしてました(^^;;)  今や豊川金田一まで出る始末(^^;;;) 追記2  それからさらにん十年過ぎました  上川隆也氏に稲垣吾郎氏まで金田一役になりましたね。  そして新作なくなって久しいですね。  ちなみに今回のようなミステリーの舞台設定をクローズドサークルと呼ぶと知ったのはだいぶ後になってからのことです。 GM「さてさて、続けよう。君たちがこの披露宴に参加している理由については前回の通りでいいよ。変えたければ変えてもいいよ(笑)」 大宇曽「変えへんよ(笑)。結構受けたし(笑)」 結城「絶対依頼したくないわ(笑)」 大宇曽「心配しなくてもええ。弁護したるわ(笑)」 結城「弁護もくそも何もやってへんがな(笑)」 GM「続けるよ〜。さてと、君たちは乗船手続きを済ませ船上にいる。前回同様まだ知り合いではないからね。」 案出留「披露宴の席で同席?(笑)」 GM「そういうこと(笑)。さて、出港間際になって、港を駆けてくる一人の男がいる。羽織はかまにくすんだ色のおかま帽を被った男やね。」 美波「出た(笑)」 GM「男はおばあさんをおぶっているようやね。『おお〜い、待ってくれ〜』と大声を上げる男の声に出航準備をしている船員の手がとまった。」 案出留「そういや、前回ちらっとあったような(笑)」 GM「そういうこと(笑)。さて、男は桟橋を駆け上るとおばあさんをおろした後甲板にへたり込むように座るね。それとほぼ同時に霧笛が鳴り響き、船はゆっくりと出港していく。」 美波「ここでさっきのオープニング(笑)」 GM「まだまだ(笑)。船が出港したところで、男は『ああっ』と叫んでずり落ちそうなおかま帽を左手で押さえて吊り上げられた桟橋から身を乗り出す。自分と港を交互に指差しながら口をぱくぱくさせてからどもりながら言うよ。『わ、私はお、降りなきゃ・・(石坂浩二風)』。で、その言葉を聞いた船員たちは顔を見あわせる。こまったなぁという表情やね。で、その男がおぶってきたおばあさんは、『いそぎの用が、おありなさるのかな(白石加代子風)』と聞いた。『い、いえ・・。し、しかしですね。私はこの船の乗船チケットを、も、もっていないんですよ』。『それなら、大丈夫・・。私がなんとかしてさし上げましょう』『そ、そんな、お言葉に甘えるわけには・・・』『心配なさることはございません。この船で行われるのは私のお仕えした方の息子の結婚披露宴・・・。』『披露宴って・・・じゃ、じゃあ、嵐山財閥と坂ノ上家の・・・』という男の言葉におばあさんはゆっくりと頷いた。『ところで、あなた。お名前は?』。男はよれよれの帽子を取ってから言うよ、『金田一耕助といいます』。で、オープニング・・ってところかな(笑)」 結城「強烈やなぁ(笑)」 案出留「しんどくないか(笑)」 GM「結構楽しい(笑)。キャストは金田一耕助:石坂浩二、おばあさんは、白石加代子ね(笑)」  でも、聞かされる方と読む方は辛いでしょうね(笑)  知っている俳優がいたら、その人の声とイメージで読んでくださいね(笑) ・導入・披露宴 GM「さてと、前回同様細かいところはすっ飛ばして早速披露宴会場ね。一応、忘れてることもあるだろうから、全部は説明するけど。」 鳴神「まぁ、確認やね。」 大宇曽「へへ、忘れた(^^)」 結城「(^^;;)」 美波「こーいうのもおるし(^^;;;)」 鳴神「まぁ、ええんとちゃう?ベースが一緒やいうても別の話やし。」 GM「覚えていてくれた方が説明が多少でも省けるんやけど、間違って覚えてられても困る事になるからね。さて、披露宴は甲板上で行われる。ひな壇が作られてその上に婚礼の関係者が一堂に会している。中心にいるのは白いモーニングに身を包んだ新郎誠と宝石のちりばめられた白いウエディングドレスを纏った新婦忍。その二人の両脇には仲人がいて、その外側に家族が並んでいる。新郎側にいるのはお爺さんとおばあさん。多分両親の代わりなんだろう。」 美波「キャストは?」 GM「まぁ、ちょっと待って。一応、このことも有名だから知っている事ね。新郎の誠の両親は既に他界している。父親は誠が生まれる前、母親は誠が子どもの頃に亡くなっている。誠には姉が一人いたが、その姉も3年前になぞの自殺を遂げている。で、誠の家族側にいる人は、お爺さんが坂ノ上家の執事で、おばあさんが母親の乳母だった人だってこと。ちなみにこのおばあさんはさっきよれよれの羽織はかまの男におんぶされてきた人ね。新婦側の両親は二人とも健在。父親が嵐山雷蔵で母親が静。キャストは、新郎が石黒賢、新婦が牛原智恵。新郎側の家族代理が小林昭二、おばあさんはさっき言ったとおり白石加代子。新婦側が山本昌平と岸恵子。」 美波「犯人は、岸恵子!(爆笑)」 案出留「せやな(爆笑)」 波多・結城「???」 亜区得「(^^)」 GM「おいおい(^^;;;)」 美波「だって、犯人っつたら全キャストの中で一番の大女優やんか(^^)」 鳴神「まぁね(笑)」 GM「ふふっ、甘い!そう言いながら犯人が全くの別人だったってのもあるで(笑)」 案出留「けど、そう思わせといて・・・ってパターンか(笑)」 GM「まぁ、キャストによる犯人当てはいいけど、それに惑わされたら知らんで(笑)まぁ、ちなみにこのキャストは何らかの形で金田一耕助モノに出た人ばっかりや。」 結城「ほとんど知らんなぁ。牛原智恵って誰や?」 GM「まぁ、かなりマイナーな女優さんやから。古いところでは新八先生とかで目立つ生徒やったとかね。」 結城「見てへんかったから全然わからんわ。」 GM「まぁ、この辺は遊びやからね。知ってないと全然あかんということはないから。あくまでもイメージを高めるための小道具や。」 美波「山本昌平(笑)。嵐山雷蔵ってすげー悪人かも(笑)。」 波多「誰ですか?」 美波「チェンジマンのギルークとか未来忍者の雷鳴法師とか、そういう悪役が多いねん(笑)」 案出留「あぁ、あの人か(笑)」 美波「小林昭二かぁ・・ええなぁ(笑)。ちょっと燃えてきた(笑)」 鳴神「誠、きっとライダーキックとかの練習させられててん(笑)」 波多「あ、ライダーのおやっさんですか。」 GM「石黒賢とか小林昭二、ぐらいは知ってるやろ(笑)」 鳴神「誠のイメージが変わってしもた(笑)」 GM「なんで?」 鳴神「好青年のイメージ何やろうけど、俺、悪いイメージしか持ってへんもん(笑)」  鳴神の石黒賢のイメージはめぞん一刻の五代くんのようです。 GM「まぁ、人それぞれやからね(笑)。俳優さん知らなくてもそれなりにイメージを高めてくれたらええよ。」 美波「しかし、ほんまにこのキャストそろえたら、それだけで億、越えそうやな。」 GM「間違いないね(笑)。それだけでも話題作。さてと、じゃあ肝心の話を続けよか。君たちは、偶然というか御都合主義というか一つのテーブルについている。」 美波「お、これは始めまして。西日本新聞の記者、美波と申します。」 案出留「これはご丁寧に、童話作家の案出留といいます。」 美波「(白々しく)童話作家さんですか、しかし、案出留とは変わったお名前ですな。」 案出留「いえいえ、ペンネームですよ。はっきりと童話作家だとわかってもらえるような名前にしようと思いまして・・・」 鳴神「(ボソッ)でも、誰も聞いたことがない。すんげー怪しい。」 美波「やはりそうでしたか。」 案出留「ところで、何か仕事はありませんか?」 美波「残念ながらそういう方面に強い新聞ではないので。」 案出留「いえいえ・・・日曜版のコーナーなど・・・」 鳴神「だあっ。やめいっ!GMの顔見てみ。」 GM「(・o・)」 波多「ついてけないです・・・(^^;;;)」 美波「あ、ごめん・・・」 GM「(気を取り直して)続けてもええか?」 結城「さっきから脱線ばっかりやな。」 GM「ほんま(^^;;;)。さて、君たちがいるテーブルは・・・」 大宇曽「亜区得弁護士商会の・・・」 結城「もぉええっちゅうに・・・(-_-)」 大宇曽「(^^;;;)」 GM「今度こそ続けるで。君たちがいるテーブルは末席のほうになる。雰囲気的には、ビアガーデンの端のほうだと思ってくれればいい。おりしも、ひな壇の上では新郎新婦の紹介が続いている。そういう新郎新婦の姿を写真に収めようとしている記者たちがたくさんいるよ」 美波「んじゃ、早速・・・。そのあたりにお仲間いるかな?」 GM「何人かいるね。おなじ文屋の匂いがぷんぷんとするのが(笑)」 美波「酒でも持って話し掛けようか(笑)。よぉ、景気はどうだい?」 GM「まぁまぁってとこかな(笑)。お仲間かい?」 美波「ま、そういうところだ。どうだい、情報の交換ってのは。」 GM「いいぜ、交換ってことはいいネタ持ってるんだろうなぁ(笑)」 美波「う、さっきの説明ってみんな知ってるの?」 GM「そうだね、『接触技能』と『知力』ボーナス基準値にロールして」 案出留「失敗したら、全部知らんかったりして」 鳴神「文屋として無能やねん」 GM「いやいや、そういうのじゃないから」 美波「高い方がいいの?」 GM「そうだね」 美波「11」 GM「(コロコロ)相手は何か他にも知ってそうだね」 美波「こっちは何か知ってるようなことある?」 GM「そうだなぁ、文屋だからなにか下調べしたかもしれない、ということで『知識技能』に『知力』ボーナスを基準値にあれば『図書館』技能をつけてロールして」 美波「『図書館』はないから、13」 GM「(ま、いっか)新郎の誠の姉が誠の大学の先輩と付き合っていた、という事を知っている。ちなみにこの披露宴にも出席してるよ」 美波「なら、という事をネタに話してみよう」 GM「(コロコロ)『なんだ、お前も知っていたのか。なら、その誠の先輩と嵐山雷蔵の年の離れた弟が、同級生ってのは知らないだろう』」 美波「なに、そうなのか。それは知らなかった」 GM「『これは、秘密な。いいネタ見つけたら俺にも教えてくれよ』」 美波「はは、当然じゃないか。雷蔵の弟って?」 GM「『ほら、あそこで令嬢をナンパしてる、鉄也だよ』」 美波「そうだった、そうだった、鉄也、鉄也、ね」 波多「なんか、メモしてますねぇ」 案出留「しつもーん、俺ら鉄也の事知ってるの」 GM「それはロールするまでもなく知らない」 結城「嵐山総合病院の俺は?」 GM「(前回認めたからいいか)そうだね、結城は知っててもいいかな。しゃべるかは判断に任せるけど」 大宇曽「(コロコロ)、うん、弁護したようなことはないらしい」 GM「こらこら、勝手にロールしない(笑)」 大宇曽「(^^)_v」 GM「探偵は、下調べしてたなら、ロールしてくれていいよ」 鳴神「いや、知らないことにしよう」 GM「(ステータス管理が大変になりそうだ)」 案出留「誠の先輩も?」 GM「誠の先輩は全員知ることになるよ、新郎側の祝辞がその先輩だから。誠の姉についての話も出るからね」 鳴神「天国からお祝いしてるよ、とか」 GM「ま、そうなんだけど。ただし、誠の姉と付き合っていた、ということを知っているのは新聞記者の美波だけね。誠の先輩と嵐山鉄也が同級生なのも。鉄也のことは、紹介されないから知っているのは新聞記者の美波と医者の結城だけ」 波多「知らない事だらけですねぇ」 案出留「まぁ、代理出席やからね」 結城「鳴神は、知っててもええんとちゃう?」 鳴神「知ってしまったら、不幸になるやん(ビシッ)」 大宇曽「大丈夫、弁護したるから」 鳴神「あうぅ(頭を抱える)。と言っても実際にキャラクターが知っていないと話が進まないから、近くにいるメイドにでも聞いてみよう。チップを渡して、すまないが私は代理のものでね。主賓の方々についてのあまり詳しくはないんだ。知っていることを教えてくれないか?」 GM「(そう来るか)わたしが知っていることなら、とメイド(坂口良子)が対応してくれるよ」 鳴神「はぅぅ」 美波「定番ですなぁ」 鳴神「まずは、誠の側。元子爵って事だけど、今は華族制度はないはずだが」 GM「いろいろとあるらしいね。知っている情報として渡した誠が産まれる前の父親殺害事件のあった当時には華族はまだ制度が残ってた。その後撤廃されるんだけど、元華族というという事で紳士として厳しく執事に育てられたという事。そういう一面もあって名門の坂ノ上という家柄が残っていたらしいね」 鳴神「父親って殺害されたの?」 GM「詳しい話はわかりませんが、そういう噂です。犯人は捕まっていないそうですよ」 鳴神「じゃあ、新婦について何か知ってる事を聞いてみる」 GM「本当は、こんな豪華な披露宴は開かれないようだったらしいですね。本人たちだけで小さく式をあげるつもりだった様ですよ」 案出留「つまり、成金財閥が名家の名前が欲しかった訳じゃないんだ」 GM「横から声をかけられてメイドさんは驚くよ」 結城「つか、聞き耳たててたんかい」 GM「生バンドの演奏があるけど、同じテーブルだから聞こえなくはない。けど、こういう場でのマナーには反するね」 波多「じゃあ、聞こえたことはメモしておきましょう」 鳴神「何か他にも噂になってる事無いですか」 GM「わたしもされたんですけど、新婦の叔父の鉄也さん、女を口説くのが早いんですよ。今も、と言って彼女が指さした先で令嬢を口説いているのが見える」 鳴神「あれはどこの令嬢か知ってますか」 GM「藤沢重工の令嬢で、まりさんですね。箱入りのお嬢さんらしいですよ」 鳴神「いろいろ、ありがとう」 案出留「デジャヴを感じる」 波多「前回、似た話がありましたねぇ」 GM「はーい、前回のはパラレルワールドだから忘れてねぇ」 美波「でないと今回の起きる事件の犯人は、鉄也だ」 波多「さっきと言ってることが違いますね」 美波「パラレルワールドでも動機は変わらなかったらの話や(笑)」 案出留「ひでぇ」 GM「(どこまで本気でどこからが冗談か区別がつかねぇ)」 結城「重工のお嬢さんにちょっかいかけてるのって、やっぱり嵐山財閥の関係やろうね。嵐山財閥の基礎は鉄鋼だから」 GM「こらこら、今回はまだそこまでの情報は出てないんだから」 結城「嵐山総合病院の医師としての知識ということで」 GM「前回もおんなじ理由使ったな」 波多「じゃあ、なんでこんな末席にいるんでしょうね」 大宇曽「まぁ、院長じゃないからじゃないかな」 GM「(院長なんてポストはやらんよ)院長の代理かなにかやろうね。まぁ、結城は、知っててもいいだろう。嵐山財閥の基礎は鉄鋼業だよ。終戦のドサクサに事業を立ち上げたのが効いたことだね。ちなみに雷蔵は入婿だから。満州からの引揚者で、鉄鋼の元を手土産に戦中嵐山家に入って言ったということだよ。」 案出留「こんなになると情報の整理がしたいとこやけど」 鳴神「する訳ないやん。初対面ばっかりやのに」 GM「そのための顔合わせの同席だからね、出すださんはキャラクターによるやろ」 案出留「前回(クトゥルフ版)の二の舞になりたくないねんけど」 鳴神「それはプレイヤーの論理、キャラクターとしては胡散臭い連中と会話する理由が今のところない」 案出留「・・・」 美波「まぁ、記事になりそうな話が聞けるなら情報交換するけど、今の時点は雑談以上はないかな」 大宇曽「事件が起こってからなら弁護のための情報集めするけど」 波多「手が詰まってしまいました」 案出留「船の中にいるってことで、思うように調べられへん」 GM「何でもかんでも自由に調べられないための舞台設定は、ミステリーの王道だよ。(事件前の情報としてはこんなもんかな)情報が知りたければ、ちゃんと相手と内容と自分の立場(職業)で考えて」 案出留「・・・話しづくりの参考にしたいと言うのは?」 鳴神「それは煙たがられるやろ」 波多「僕はもっと聞くことが有りませんよ」 美波「しつもーん、取材しててご飯ちゃんと食べられる?」 GM「それぐらいは十分」 ・真夜中の銃声 GM「さて、宴も終わってお開きとなり、皆はあてがわれた部屋にいくことになるよ」 美波「三等寝台だと起きられないとか」 GM「この際トラベラーネタはいいから」 波多「前にも言ってませんでした?」 案出留「みんな個室?」 GM「通常ではありえないけど、招待客扱いの人はそうだよ。それがこの披露宴の凄さを物語っているんだし。さて、その深夜起きてるなんて人は居ないよね。起きてるならその理由を合わせて宣言して」 案出留「心情的には起きてたい」 鳴神「ケド、理由がない」 GM「ついでに言うと、起きてるんだったら、翌日の行動にペナルティね。酒もかっくらってるだろうし」 波多「寝てろという事ですね」 案出留「理由が思いつかん」 鳴神「理由のこじつけはできるけど、そこまでしないかな」 大宇曽「モチロン寝る、朝まで何があっても起きない」 結城「起きてたいとこやけど」 GM「つか、事件が起きる前提で考えてるやろ。起きるけど」 結城「せやから起きてたい」 鳴神「起きてて、一番乗りして犯人扱い」 大宇曽「弁護したるわ(笑)」 結城「寝る方がマシや」 GM「では、ご期待通りに。『知識技能』に、知力ボーナス基準値にロールして。14以上で目が覚める。深酒した人は目標値が2上がる」 美波「う、深酒したような気がする」 波多「成功っ、起きた」 鳴神「う、起きてしまった。」 大宇曽「やたっ、寝てる」 美波「やった、深酒してても目が覚めた。取り上げずカメラを準備します」 案出留「寝てるんやけど何があったん」 GM「炸裂音が響いたかと思うと男の助けを呼ぶ声が聞こえてくる、結城は?」 結城「起きられた。声はどっちの方からするの?」 GM「(ロールは省くか)ロイヤルスイートの方からやね」 案出留「炸裂音って何の音?」 GM「案出留は寝てるから分からない。まぁ、気がついて起きたとしてもその段階では分からない。船には他にも気づいた人がいて、だんだん騒がしくなるからラウンド毎に目標値は下がっていくからそのうち目が覚めるはず」 大宇曽「とりあえず、ずっと寝ておこう」 波多「おいおい、と言いつつロイヤルスイートを目指します」 GM「ロイヤルスイートの前には騒ぎを聞きつけた人たちが結構いる。部屋の中からは『医者を早く』と言う悲痛な叫びが聞こえるよ。それを聞いて船医のもとに走る人もいてるね」 波多「とりあえず、様子を見る」 美波「カメラを持って駆けつける」 鳴神「起きてしまったことだし、人混みに紛れていよう」 GM「人混みに紛れていると中の様子はうかがえないんだな。そうこうしているうちに、船医と嵐山雷蔵達がやってくる。船長らしいのもいるね」 案出留「行きたいけど起きれない」 大宇曽「ずっと寝てる」 GM「雷蔵は、ドスの効いた声で何があった、と聞いているみたいだね。船医が、もう手遅れとか、言っているのに恫喝しているのが聞こえる。という訳で結城、呼ばれるから」 結城「なんや、寝ててもよかったんか」 GM「起きてた?」 結城「いや、理由を見つけられんかったから寝てたよ」 GM「結城が、呼ばれたところで、呼び止める人間がいる」 結城「誰?」 美波「あ、分かった、金田一」 GM「はい、正解。彼は『現場保存が第一です。できる限り周りの物に手を付けないで下さい』と言うね」 結城「じゃあ、中に入る」 GM「ロイヤルスイートの中は荒らされている。ツインの大きなベッドの片側に誠に抱き抱えられた忍がいる。後船医と雷蔵もいるね。忍は胸から大量の出血があるね」 結城「嵐山氏に呼ばれた医者だが、と言って診察するか」 GM「じゃあ、『知識技能』に知力ボーナスを基準値に医術を足してロールして」 結城「低い、15」 案出留「15で低いって?」 鳴神「知力ボーナスと医術が高いみたいやね」 GM「既に事切れている様だね。胸の傷は銃か何かで撃たれたらしい。貫通はしてないけど、まぁ、いいか、達成値も高かったから心臓を直撃しているだろうことはわかる」 結城「ということを、嵐山氏に報告する」 GM「ヤブ睨みで誰がこんな事を、と恫喝するね。そこにさっきの男が入ってきて『何があったのか聞かせてもらえませんか』と言うと『誰だ、お前は』とどなると『金田一と、いいます。私立探偵をやってます』『そんな者を呼んだ覚えは無い』というと、『私のお客様です、嵐山さん』とお婆さん。雷蔵は苦虫を噛み潰した顔をしているね」 案出留「何役もご苦労なGMやな(笑)」 GM「シナリオの都合上、説明ごとが多いからね。で、金田一が、誠に何があったのかを問うね。要約すると、披露宴の後、執事や婆やと話をして少し遅くなったところでこの部屋に戻って来たところ、疲れていたのか先に忍が寝ていた。そこで誠も忍を起こさないように寝ていた。ところが、部屋に誰かいる気配を感じて起きたら、いきなり発砲されて、賊は部屋から飛び出して逃げた。部屋を確認すると、貴重品などが荒らされており、忍を起こそうとしたら、大怪我を負っていたので助けを呼んだ、という事らしい。はーい、ここでGMからの注意事項。情報はこの場にいなくても聞いてていいし、知ってても、いいよ。それらを元に推理してもらうから。推理は今するんじゃなくて、シンキングタイムを用意するからそこでやって」 大宇曽「しまった、ちゃんと聞いてなかった」 GM「キャラクターとして行動して適切なことなら再度説明するけど、GMへの質問という形では答えないからね」 案出留「聞き取られきれなかった分の確認も?」 GM「そういうこと。手持ちの情報と発想の飛躍の推理を聞かせてもらうのがGMの楽しみでもある。これは、考えるRPGだからね。映画見てるみたいに傍観者でもいいけど」 美波「今更ながら、大変なゲームに参加してることに気づいた」 GM「美波はカメラ持ってきてるんやね、なら、金田一から指示されたものを撮影してね」 美波「何を撮るん?」 GM「荒らされた部屋の様子とベッドの様子など」 美波「何か気づくことある?」 GM「『知識技能』に知力ボーナス基準値に目星をつけてロールして」 美波「14」 GM「床に散らばっている物に大量の睡眠薬が落ちているね、パッケージからわかったことにしよう」 美波「一応撮っておこう」 GM「そういう事をやっているところへ船長が、『嵐山さん、大変なことになりましたね(大滝秀治)』」 案出留「めっちゃ訛ってるし」 波多「前回も、そうでしたよ」 GM「『こんな事件が起きたんだから、一番近い港に付けて警察に調べてもらわないと』『何を言うか、それでは、みすみす犯人を逃してしまうではないか。警察など呼び寄せればいい。犯人を見つけるまでどこの港にも行かせん』『そりゃあんた、むちゃってもんだよ』『結城、お前が司法解剖しろ』『みなさんは、各自の部屋に戻って連絡があるまで部屋で待機してください』と金田一」 案出留「ごめん、もうチョットゆっくりにして。一応、演技と口調で区別はつくけど、頭の整理がと記録が追いつかん」 GM「ああ、ごめん」 案出留「司法解剖って、結城がやっていいの?」 結城「前回はやったけどな」 GM「実際の話しとしては、そんな事はないよ。令状とかも必要だし。それに雷蔵が一人娘を解剖だなんていきなりそんな事言う訳ないやん。超法規的ゲーム処理だよ」 結城「じゃあ、取り掛かるか」 GM「一応、こうしておこう。金田一の依頼で船の航行している最寄りの県警、まぁ、期待通り岡山なんだけど、話を通して、執り行うことになった」 案出留「連絡って」 GM「船舶無線ぐらいは普通に使うよ」 美波「その無線をちょっと借りたい。本社に事件速報を連絡したい」 GM「基本的には断られるよ」 美波「袖の下使う」 GM「じゃあ、『接触技能』に知力ボーナスで、あれば交渉をつけて」 美波「よしっ、16」 案出留「高いなぁ」 GM「船長には内緒ですぜ、と言って貸してくれる」 美波「もしかして打電?」 GM「いや、電話級。と言ってもつながる相手は航行管理だけど」 美波「電話回してもらえるかな」 GM「さっきのロールに含んでいるでいいよ、何を伝えるの?」 美波「事件の事と、被害者が花嫁だって事を。これだけでも大事件のハズ。あと、金田一氏が乗り出してるってことで」 GM「事件の詳細などが分かったら他の新聞社にとられないようにって釘を刺されるね」 美波「はやーっ」 ・空気の沈んだ翌朝 GM「翌朝までは各個人の部屋で禁足という指示が船長命令でされる、例外はこの中では結城だけ。夜通しで解剖に取り掛かってくれ。助手の看護婦(注:当時の一般呼称にしてあります)はつけてあげよう」 美波「役は誰?」 GM「うん、そこまでは考えてなかった。でも、若くて綺麗どころではない」 結城「残念」 案出留「結果は」 GM「それがわかるのは昼頃だね。発表されるかどうかは分からんけど。といいたいけど、今回のRPGは超法規的に知ってていい。ただし、キャラクターとして行動する際にはキャラクターとして知り得た範囲までね。」 波多「プレイヤーも管理が大変ですねぇ」 GM「ミステリーRPGって前例もない初めてのものだから手探りの部分が多いね。ちょっと考えて見直すこと後でするよ。まぁ、情報の氾濫は覚悟してくれ」 大宇曽「まぁ、終わってないけど、行動で得られる情報が少ないような気はしますね」 GM「タイミングよく、事件の起こるところ、時間が合わないとって側面は強いからね。さて、話に戻ろう。翌朝、禁足がかかっているとはいえ、食事抜きって訳にはいかないから7:30から9:00までラウンジに朝食が用意されるとアナウンスが入るよ」 大宇曽「亜久得弁護士事務所の大宇曽だ、ルームサービスを頼む」 波多「またまた、聞いたことありますね」 GM「当然それはキャンセルされる」 大宇曽「まぁ、お約束という事で」 美波「ラウンジの様子は何かある?」 GM「『接触技能』と知力ボーナスで」 美波「低いなぁ、10」 GM「後悔と疑心暗鬼に満ち溢れているね。あと、そそくさと朝食を済ませて部屋に戻る人も多い。自分は関係ないと言わんばかりだね。そんな美波に接触してくる人物がいるよ」 美波「?誰やろ?」 GM「『よぉ、現場写真撮ったんだって』」 美波「ああ、昨日のご同類」 GM「『その様子だとまだ現像してないんだろ。現像したら、ポジを余分に焼いて、分けてくれないか?。昨日のいい情報渡したろ』」 美波「うーん、どうしたもんかな、GM、ここで現像できるの?」 GM「暗室もないし、道具もないだろ。無理だよ。『今すぐにくれって言うんじゃないんだ。船、降りてからでいいから』」 美波「それなら。って、警察に取られるんじゃ」 GM「(バレたか)その可能性はあるね。警察への協力として感謝状がでるかも。『ヨロシク頼むぜ、相棒』」 美波「はやー」 GM「(さて、コロコロ)えーと、案出留、波多、鳴神が朝食を摂っている頃、ちょっとした小さな騒ぎがラウンジである」 波多「何でしょう」 GM「『貴方って人は』って、叫び声がしたかと思うと、そそくさとラウンジを出ていく男と、騒ぎを起こしたのを恥じるかのように椅子で小さくなってる女性ね」 鳴神「なんとなく分かってしまった。出ていったのは鉄也だね」 案出留「あぁ、そういう事」 波多「また、デジャヴですね」 GM「女性の方も食事もそこそこに出ていこうとする」 鳴神「関わり合いにならない方がいいね」 案出留「何かあるなら聞いておきたい」 鳴神「見知らぬおっさんが事情も解らず声をかけるって、ロリコンってやだねぇ(笑)」 案出留「う・・・」 大宇曽「貴方のために弁護しましょう、相談事ならお聞きしますが」 案出留「美味しい所を」 GM「『いえ、結構です』と言って女性は去るね」 大宇曽「弁護がいるのは鉄也の方か(笑)」 結城「こっちはまだかかるの?」 GM「昼前までだからまだかかるよ。とは言ってもゲーム的には時間進むけど」 案出留「ちょっと待って、何かできることないか?」 鳴神「出来ることっても、禁足が解かれたわけじゃないし、なにかアクションを起こせる状態でもない気がする。少なくとも藤沢のお嬢さんの件は今のところ事件に直接関係あると言う根拠もないし」 美波「禁足、禁足かぁ。藤沢のお嬢さんにインタビューも無理か」 鳴神「やっぱ、西日本新聞はゴシップ紙やね(笑)」 美波「そう言われるとちょっと、なぁ。それ以前に禁足されてるから、行くに行けん」 GM「では、結城の方。一応、解剖が終わって、所見をまとめないといけない訳だけど、わかった事を羅列するね。忍の直接の死因は、拳銃による射殺、心臓を撃ち抜かれた事が原因。拳銃の弾は回収できたよ。ただ、遺体からいくつかの新事実が分かる。まず、忍は妊娠していて、本人に自覚はあったはず。2ヶ月を過ぎた所ぐらい。ただし、異常もあって、胃からは致死量以上の睡眠薬が、発見された。睡眠薬の状態では無理矢理飲まされた形跡はなく、自ら飲んだっぽい。拳銃で撃たれていなくても翌朝、目覚めなかった可能性はある、という事がわかる。ただし、この事は発表される事はないからキャラクターで知っているのは、結城だけね。プレイヤーは知っていても、その情報を利用した行動は認めないからね」 波多「なんか、前回言ってましたよねぇ、幸せな結婚に忍び寄る黒い影がって」 案出留「悪ノリでなぁ」 波多「本当にそうなっちゃいましたね」 案出留「自殺なんだけど。それに気づかず銃殺」 鳴神「誰が?そもそも、拳銃はどこから出てきたのか。大量の睡眠薬はどこにあったのか。忍が、自殺するとしてなにが理由なのか」 案出留「探偵の本領発揮(笑)。でも、睡眠薬の自殺って本当は、出来へんらしいけど」 GM「昭和30年頃の薬だと、大量とまでいかないけれど、実際に亡くなってる方がいる。今(プレイしている1992年)の薬と成分が違うからごっちゃにしない。入手困難というわけでもないんだから」 ちょっと解説。 具体的な薬名は避けますが、薬物障害で亡くなる人が後を立たなかったので、自殺できないように薬剤が新たに開発されたのが現在の睡眠薬です。現在の睡眠薬では基本的に死ねません。 案出留はその事を言ってるわけです。 つか、冒頭で昭和30年と舞台設定している理由、考えてくれっての(笑) 結城「ようやく飯にありつけるし、寝られる」 大宇曽「ご苦労様です」 GM「そうこうしているうちに、警察のランチが着いたようだね」 ・警部登場 GM「『いやぁ、酷い海だったよ。それにしても、この船は揺れがすくなくていいねぇ。生き返るよ(加藤武)』『やぁ、等々力警部さん』『やや、これは金田一君じゃないですか』『どうも、お久しぶりです』って、会話が始まっている」 美波「その取材はできるの?」 GM「まだ、禁足は解かれていないよ、無理。でも、禁足については、放送が入るよ」 案出留「やっと自由に」 GM「ならないよ。警部と部下が手分けして各部屋を回って事情聴取が始まるから」 波多「それまで身動きできないわけですね」 GM「そういう事」 金田一豆知識  今回の作品では、イメージの強いという事で、加藤武さんを等々力警部として出演してもらってますが、等々力警部は本来、警視庁本部所属で、岡山県警ではないんですね。ただ、プレイヤーのイメージ知識を優先させた結果ですので、分かってて配役した事です。 わざわざ『間違ってます』、という指摘は不要です。  ちなみに加藤武さんは同じ出で立ち立ち居振る舞いを各作品で演じてられますが、役名はその作品ごとに異なってます。一度注意して映画作品をご覧ください。 あと、映画作品では金田一を目立たせるために狂言回しに徹してますが、等々力、磯川両警部(橘署長も)は本来は名警部です。ただ、事件の特異性が名警部以上の名探偵金田一を必要としているという事を解説として残しておきます。 案出留「事情聴取って何聞かれるん?」 GM「身分、名前、あとどういう関係者かだね。まずはメインのゲスト優先だから、プレイヤーの処にまで来るのに時間がかかるよ」 大宇曽「スネに傷がある人は、自分が弁護士たるわ」 案出留「待て待て」 波多「あー、どうしよう」 鳴神「下手に隠さない、普通に堂々としてればいい」 案出留「誰それの代理って通じるんやろか」 鳴神「通じなければここに乗船出来てないハズ」 GM「代弁ありがとう。プレイヤーキャラクターにそんな質問して全員答えを聞くだけで大変だからしないよ。プレイヤーキャラクターに犯人役させてるならともかく」 美波「逆に質問を投げかけるのは?」 GM「刑事側の都合で無理。質問に答えるだけって言われるから」 案出留「他の人の話が聞けないと考えることもできないね」 GM「先走らないの。乗船名簿、まぁ、招待状との擦り合わせはこれから持ち帰って行われるようだよ。今、プレイヤー情報として分かっているのは行方不明者が一人、いるという事。根津という男で、招待客ではなく代理で出席していたという事」 美波「よーし、わかった、犯人は根津だ、とかやってたり」 GM「その辺りはご想像に任せよう。ひと通り事情聴取が終わると、晩の食事になるから」 波多「そういや、昼ごはん食べてませんね」 GM「いや、そんな事はないから。ゲーム上食べたシーンがないだけで、実際には食事はあったと思いねぇ」 鳴神「まぁ、イベントらしい事はなかった、ということやね」 GM「そうしておいて」 美波「晩飯時に、根津の事について何か話題になったりとかしてない?」 GM「(コロコロ)噂にはなってるみたいやね。根津に同席した人物が話してるんだろう。口止めされてるはずだけど」 美波「根津の噂してる人に接触できるかな?」 GM「接触技能+知力ボーナスで」 美波「ちょっと低い、12」 GM「(甘いけどいいかな)できたということにしよう」 美波「名前とか年とか職業とか」 GM「名前は根津二郎、年は30過ぎぐらい、職業は宝石商」 案出留「えらく簡単に分かったな」 GM「ミステリーで情報の出し惜しみはしない、まぁ、美波が新聞記者なのもあるけどね」 波多「で、どこに行ったんですかねぇ」 案出留「緊急用のボートの中とか(笑)」 鳴神「それは、あんたが前回隠れてたところやー」 GM「公式には見つかっていない、らしい」 大宇曽「安心して出てきたまえ。弁護したるわ」 結城「こっちは、いつ開放されるの?」 GM「晩飯以降かな。昼飯頃に終わったとはいえ、昼飯食って倒れ込んでたやろうから」 案出留「そんなに?」 鳴神「徹夜で解剖してたし」 GM「そういう事」 案出留「根津がどこにおるとか調べたいんやけど」 GM「こらこら、プレイヤー情報と言ったろ。キャラクターは知らないの」 案出留「警察とかは調べてないん?」 GM「プレイヤー情報として言うけど、事情聴取で手一杯だったということ。根津がいないことが判明してそんなに時間が経ってないという事。それに警察ってもランチで来たからそんなに人はいてないからね。等々力警部は、船酔いもあるからまとめが大変なのよ」 結城「船酔いって。。。役立たず」 GM「市川版獄門島ではそういう設定があったのよ」 市川崑監督の獄門島での加藤武さんは、船に弱いと言う設定があります。 GM「夜だけど、またも禁足が言い渡されるね」 案出留「トイレとか風呂は?」 GM「トイレはともかく、風呂は用意できない」 案出留「風呂に入りたいのに」 鳴神「血の匂いで充満してる風呂に行きたいならね」 GM「(なんでわかるんや?)まぁ、公にはされてないけど、解剖場所が。。。」 波多「嫌ですねぇ」 ・三発の銃声 GM「さて、起きてる人はいないよね」 案出留「そう言われると、起きていたいのが人情だけど、理由がいるんやね」 GM「そういう事」 結城「私は寝る。午後休んだっても十分休めてないし」 鳴神「起きてたら不幸になるやん」 大宇曽「当然寝る」 波多「起きてて、ワタシ見ちゃったんですよ、とか」 鳴神「で、予定外の殺人が起きる、と」 結城「まだ、事件が起きると?」 鳴神「金田一やろ、第二第三の事件は起きるやろ」 GM「そういう勘ぐりはよくなーい。そうだけど」 美波「いや、まあ、仕方のない連続殺人は特徴やし」 GM「(くくっ、そう言ってくれたのはありがたい)」 ちょっと意地悪に心の中で嗤うGMでした。 理由ですか? 今は、まだ、お話するときではないのです。 GM「(コロコロ)さて、ご期待通りと言うには不謹慎なので、真夜中を過ぎた所でまたも昨日と同じ様に炸裂音が船に響き渡る。3回ね」 案出留「連続?」 GM「その前に起床チェック。目標値は13」 波多「昨日より低いですね」 GM「音が3回なってるからね」 波多「おしっ、成功っ」 鳴神「また、気づいてしまった」 GM「音はデッキの方から聞こえたね」 案出留「うーん、うーん、また起きられない」 GM「今回は警察が乗船してるから、そんなに経たない間に管内放送が入るよ。もちろん、出歩かないでくださいって」 大宇曽「どうせ寝てるから関係ない」 結城「どうせ、また、叩き起こされるだろうから」 美波「うー、現場写真」 GM「はい、美波、警官が呼びに来るから」 鳴神「(にやっと笑って)君が容疑者やったんや、ぶぁいぶぁい(手を振る)」 美波「はやー」 GM「違うよ、カメラを用意して着いてきて欲しいそうだ」 美波「やった、現場写真。大スクープ」 GM「『君がカメラを持ってる文屋か、現場写真を撮って、後で提出してくれたまえ』」 美波「はやー、やっぱり。で、現場はどうなん?」 GM「二人、倒れて床が血で染まっているね」 美波「誰?知ってる顔?」 案出留「誠とか」 GM「二人とも仰向けに倒れているね。一人は雷蔵、胸を撃たれている。もう一人は志乃」 結城「誰?」 鳴神「坂ノ上の乳母だった人。金田一が運んできた人やね」 波多「何か、意外な人が殺されたんですね」 結城「雷蔵は意外やった」 GM「説明続けていいか?志乃も胸を撃たれているね」 美波「足跡とかはある?」 GM「警察が調べているようだけど、見つかってないようやね。美波はフィルムのある限り現場写真を撮るように指示があるから」 『じゅ、銃声は3発あったんですよね。ここに二人が撃たれていて、もう一発は、どこに行ったんでしょう』 『まさか、犯人ともみ合ってるうちに犯人に。。。』 『そ、それだと血痕が残って続いていると思うんです』 『じゃあ、どこかに当っているのかもしれんな。よし、この付近をよく調べさせよう』 『警部、ありました。』 『よし、そこの写真を撮っときたまえ』 『警部さん、この弾痕の位置、雷蔵氏の方から撃った様に思いませんか?』 『うむ、そのとおりだ』 『それとここで拳銃を使ったとしたなら、落ちててもおかしくないものがありませんね』 『どういうことかね』 『いや、昨日の解剖で摘出したい弾を詳しく調べれば使われた銃の特定はできると思うのですが、今は無理ですね。でも、これで一つだけはっきりした事はあります』 『なんだね、勿体をつけないでくださいよ』 『拳銃の数はわかりませんが、少なくともリボルバー式ではないでしょうか。自動拳銃なら、薬莢が落ちてると思うんですよ』 『キミ、犯人が持ち去ったのかもしれんよ』 『それはないんじゃないでしょうか。ロイヤルスイートでも発見されてませんから』 『警部、怪しい人物を捕まえました』 『離せ、僕を誰だと思ってる、嵐山鉄也だぞ』 『君、禁足されているこんな時間に何してたんだね』 『何をしようが僕の勝手だろ。離せ』 『鉄也さん、あなた大変不利な状況ですよ。そこで殺されているのって貴方の叔父さんの嵐山雷蔵氏ですよ』 『そ、そんなばかな』 『キミからはタップリ事情をお伺いしないといけませんな』 美波「そういや、鉄也って配役誰?」 GM「ピーターだよ」 鳴神「うん、ピッタリの悪役」 GM「いやまあ、そういう役もあったけどね。ちなみに結城、予想通り解剖を依頼されるから」 結城「まぁ、予想通りだし」 美波「よーし、わかった、犯人は鉄也だ」 GM「やってないやってない」 案出留「外の様子、見に行けない?」 鳴神「先に禁足を放送で言い渡されてたからね。犯人扱いされたいなら」 案出留「それも嫌やなぁ」 GM「新たな事件が、起こってしまった以上、厳しく監視されるやろうね」 美波「そういや、自分の持ってるカメラ用のフィルムって、どれぐらい持ってるんやろう?」 GM「24枚取りの白黒フィルムを会社の経費でかなり持ち込んでると思うよ。むしろ、フラッシュのマグネシウムの方が先に尽きるかもね」 案出留「フィルムなら、36枚撮りカラーもあるけど」 GM「昭和30年には超贅沢品だよ、カラーって。それに36枚撮りはまだないと思う。美波はプロの新聞記者だし会社の経費が使えるけど、一般的には12枚撮りまでだろうね」 波多「時代考証してるんですねぇ」 GM「一応はね」 とは言いますが、この作成をしている現在の方が情報多いんですよね。 カメラについては、このプレイ当時デジカメなんてありませんでした。 案出留「業務ならカラーも使えるんとちゃうの?」 GM「モノクロの新聞用。雑誌ならカラーグラビアって事もありえるけど、西日本新聞と明言してるからね」 美波「まぁ、それなら白黒フィルムやろうね。10巻もってていい?」 GM「事件が起きない前提で240枚も撮影する気だった?」 美波「まぁ、ありえんね。5巻120枚という事にしよう」 ・最後の晩 GM「さて、翌日。2日続けての事件は船の中の空気を悪くしている。禁足は朝の食事まで続けられる」 結城「2日続けての徹夜」 GM「今回は二人だから夕方までかかるとしよう。当然、合間に休憩はもらえるけど」 鳴神「で、鉄也の方は?」 GM「鉄也についてはプレイヤー情報です。明白に自白はしないものの確たる証拠もないので、犯人とは断定されていない。凶器である拳銃も見つかっていないことだしね」 美波「また、本社に連絡したいんだけど」 GM「捜査協力してるから、許可は降りるよ。余計なことは言わない条件付きだけど」 美波「余計な事って?」 GM「犯人の憶測だとか、細かい状況についてだとか」 美波「つまり、事件の概要と被害者の名前ぐらいまでとか」 GM「それなら問題ない」 案出留「鉄也の状況について知りたいとこだけど」 GM「どっからどうやって?」 案出留「うーん」 波多「鉄也も関係してるんですかね」 大宇曽「警官捕まえて、鉄也の弁護を買って出ようかなと」 GM「(面白いね)まだそういう段階ではないと言われるよ」 大宇曽「なら、犯人と断定されてないとわかるわけですね」 GM「そういう事」 鳴神「そうだね、食事時に藤沢まりが居たら様子をうかがっておこう」 GM「(コロコロ)『接触技能』に知力ボーナスで、あれば心理学をつけてロールして」 鳴神「14」 GM「ちょっと、落ち着かないようだね。食事もあまり摂っているようでもないらしい」 案出留「鉄也の事を気にしてるのかな」 鳴神「それ以前に、この凄惨な事件で参っているのかもね」 『金田一君、何か気のついたことはないのかね』 『まずは解剖の結果を待つべきでしょう。それに行方不明の根津氏の事や拳銃だと思いますが、誰が持ち込んで、今、どこにあるかですよ』 GM「という事で、時間ばかりかけても仕方がないのでちょっと、先でわかる事、解剖結果からわかったことを現場の状況から説明。志乃は正面からの銃撃によるショック死、弾は回収された。また、雷蔵も正面からの銃撃によるものが原因だけど、多少争った跡がある。体や右腕、手首に打撲痕が発見される。志乃同様に弾は回収できた。どうやら、詳しく調べないと断定はできないけど、忍から回収されたものとデッキで回収されたものと合わせてすべて同じ弾と思われる。鑑識の綿密な調査結果ではないから断定はできないけど」 案出留「弾が全部同じなら、使われた拳銃も同じ可能性があるね」 鳴神「そう考えるのが妥当じゃないかな」 波多「3人に共通するものはなんですか?」 大宇曽「撃たれたのが志乃じゃなかったら揃う感じがするんやけど」 美波「嵐山家の一族」 波多「なにか違う」 結城「巻き込まれた人が混じってて、間違って殺されたと言うのがあったりとか。本当は、誠が、狙われてたとか」 鳴神「それだと忍が、自殺未遂している理由が見えない」 結城「そうやった」 案出留「誠が、狙われてたとしても共通項にはならんやろ」 結城「となると嵐山婦人?」 波多「誰でしたっけ」 美波「岸恵子」 GM「こらこら、配役は余興だよ。静ね」 結城「そもそも、誠の乳母なんやろう?雷蔵との関係が全く見えないんやけど」 波多「顔見知りではあったみたいだけど。だって、金田一さん紹介してましたし」 美波「やっぱ、静が犯人。式や披露宴の打ち合せで両家の顔合わせはあっただろうから」 案出留「全然説得力ないし。というか、消炎反応調べたらわかるんちゃう?」 GM「案出留、消炎反応についての知識チェック。失敗したら、君はそのことを知らない」 案出留「作家だから知っててもええんとちゃう?」 GM「童話作家だろ。知識チェックをしてもらう」 波多「しょうえん反応って?」 GM「まずはチェックしてから」 案出留「・・・12」 GM「なら、君は知らない」 美波「ロールしたら、知ってていいの?」 GM「今でこそ(1992年末)そこそこ知られてるけど、情報が少なくて情報源が新聞かラジオしかない時代には知れ渡っていないと判断するよ」 結城「解剖できる医者でも?」 GM「知識として知っているかもしれないけど、検査試薬がない今の状況では調べるすべがないと思うだろうね。第一、警察が見過ごすと落とうか?」 美波「等々力警部ならあり得る」 GM「それ以前に、鑑識が来てないからね」 波多「それはおかしいのでは」 GM「ランチにそんなにたくさんの人と道具が乗ってるわけ無いやん。第一解剖できる医者が乗ってたら警察医とか後回しにするでしょ。元々、忍の事件だけで来たんだから」 美波「あ、そうか」 鳴神「まぁ、ミステリーだし。それを言うならこの環境じゃ、アリバイはあってなきがごとしやし」 GM「シナリオライターとして開き直るけど、手がかりは出してる。新しい手がかりばかり求められても、わざわざ時代考証した意味なくなるし」 案出留「調べたい事が何にも調べられへん」 GM「いくらRPGでも限度はある。つか、そう言うのであるなら先に言ったプレイヤー情報も忘れてもらうぞ」 案出留「・・・」 鳴神「まぁ、本来知りえない情報はもらってるんやから」 大宇曽「出来の悪いアドベンチャーゲームよりはいいんじゃないですか?案出留の調べたいという事が、このRPGのシナリオで展開されてる範囲を超えてるという事で」 現実のプレイではここまで険悪ではなかったですが、心に思われてただろう事を展開しました。 感情的に面白くないですね、申し訳ないです。 GM「気を取り直して、新しいプレイヤー情報ね。中にはキャラクターが知り得る情報も混じっているから。聞き逃したは知らないからね。まず、船についてなんだけど、雷蔵が死んだことによって、港に寄港しないという縛りは一旦解かれることが決定した。で、どうするかという事を海上保安庁とやりとりした結果、本来の予定通り下関港を目指すことになった。予定ではあすの夕刻には到着できるらしい。ただ、この事については等々力警部からは異議はあったらしい」 結城「なんで?」 鳴神「下関は山口県やからね。岡山県警としては困るわけや」 GM「まぁ、そういう事なんだわ」 美波「岡山の港に引き返すという案はなかったん?」 GM「海保の船の航路安全という判断が最終的な理由。まぁ、船長判断と言い換えてもいいんだけどね」 案出留「なら、海保の範囲とちゃうん?この事件」 GM「船が起こした事件なら海保の範囲だけど、船という場所の中の事件だから所轄警察の範囲。ただ、この船が所轄を移動しているところに歪みがあると言うのが、警察が大々的に捜査員を送れない理由、というとこ」 鳴神「まぁ、縦割り行政の弊害の代わりにプレイヤーキャラクターが割り込む余地があるんだけど」 波多「前回に比べると行動できる範囲が狭いですね」 GM「それは、俺のシナリオの問題だわ。まぁ、悪く言えばサスペンス劇場見ながら、推理ってこと程度になってしまってるからね。でも、それだけにシンキングタイムは考えてもらうから」 案出留「見えないことが多すぎる」 GM「(まだ、すべての事件が終わったわけじゃないしね・笑)さて、その日の夜」 美波「最後の事件が起こる」 GM「事件といえば事件なんだけど、真夜中に火災報知機が鳴り響いたかと思うと管内放送がすぐに入る」 美波「ちょっと待って、本社に報告したいんやけど」 GM「いいよ(というかイベント内容入れ忘れるとこやった)」 美波「船の行き先って普通に知ってていいの?」 GM「いいよ」 美波「船は最初の予定通り下関港に到着予定と伝えよう」 GM「了解、こちらからも報告があります。確証のとれた情報ではないが、嵐山鉄也が誠の姉坂ノ上美和に強引にアプローチしていたらしい事がわかった」 波多「新情報ですねぇ」 GM「プレイヤー情報で知ってていいよ。夜中の事件の方だけど機関室近辺でボヤ騒ぎがあった。乗員のパニックを防ぐためにすぐに管内放送を入れたというところ」 案出留「つまり、また、禁足されるわけだ」 GM「そういう事」 案出留「鉄也のところに行きたい気がするんやけど」 GM「キャラクターとしては知らないよ。美波が漏らすなら別だけど」 美波「スクープネタは大事に取っとく」 波多「選んだ職業で差が激しいですね」 GM「本チャンプレイしてるけど、マルチワールドRPGのテストプレイデモあるからね(さて、2つの事件が起こる、と)」 『警部っ、大変です。坂ノ上誠が背中を刺されて重傷です』 『なにぃ、刺されているだと』 『今回は拳銃ではなかったんですか』 『そうなんだよ、金田一君』 『それは、拳銃を使えなかったのか、それとも使わない理由があったということでしょうか』 『まずは医者だ、疲れているだろうがたたき起こしてきてくれ』 『誠くん、意識はあるかね。誰に刺されたんだ』 『わかりません、部屋に戻ったところをいきなり後ろから』 『一体犯人は、何が目的なんだ』 GM「というわけで結城の出番」 結城「そんな気はしてた」 GM「『知識技能』に知力ボーナスに医学ね」 結城「16」 案出留「相変わらず凄いなあ」 GM「大変危険な状態だね、発見が早かったとはいえ少しずれていたら即死していたかもしれない。今はというと、失血死が起きてもおかしくない」 結城「輸血が必要、というわけやね。誠の血液型は?」 GM「執事の時田が言うにはAB型という事をらしい」 結城「じゃあ、警部にAB型の人を集めてもらおう」 GM「管内放送で、AB型の人を呼び集める旨が流される」 大宇曽「(コロコロ)うん、AB型じゃない」 GM「コラコラ、勝手にロールしない、まあ、何人かは来てくれる。けど、根本的に足りない。量も設備も」 結城「ロールしなくてもわかるの?」 GM「期待値が微妙ならともかく、ファンブルしない限りは大丈夫だろ」 結城「どういう状況で見つかったか、聞き出せる?」 GM「医者としての立場があるから、教えてもらえるね。ボヤ騒ぎのあと、徹夜で客室廊下を巡回していたら、誠の部屋、と言っても犯行現場のスイートから移った1等寝台の扉が開いていて、中からうめき声がしたので確認したら、床にうつむきに倒れていたのを発見した、という事だそうだ。その背中にナイフが突き立っていたという訳やね」 案出留「拳銃じゃないんだ」 美波「ボヤ騒ぎを起こしてひと目を引きつけて犯行に及んだってとこか」 波多「これで誠が犯人というのは」 鳴神「これだけ事件の特質が違う。拳銃で殺されてるなら違うだろうけど」 波多「それもそうですね。誠犯人説だとすると事件の終わりの自殺かなと」 鳴神「自決にしては、方法が不確実すぎる。第一まだ、死んでないし」 美波「逆に死んでないってのが怪しいんだな」 GM「(さて、ちゃちゃを入れるか)」 『警部っ、嵐山鉄也が』 『鉄也がどうしたと言うんだ』 『自室で死んでいます。首をくくって』 『なにぃ、それは本当か。遺書は』 『遺書は見つかっていません』 『金田一君、これは一体どういうことかね』 『まだ、僕にもわかりません。鉄也君の自殺と誠くんの事件、関係しているのでしょうか。そもそも、鉄也君の自殺は本当に自殺なんでしょうか。動機が見当たらないと思うんですが』 『うーむ、不可解だ』 結城「はぁ?鉄也の自殺?」 案出留「ないやろ」 美波「あまりにも胡散臭過ぎる」 GM「美波は、撮影係みたいにまた、依頼されるけど」 美波「いいけど、フィルムがまだ残ってるんかな」 GM「残ってるでいいよ。無くなってることにするならそれでもいいけど」 美波「いや、せっかくだから行こう。部屋の様子は」 GM「荒れているというほどではない。ネクタイを使って縊れているよ。足元には台に使ったと思われる椅子が転がっている。『知識技能』に知力ボーナスで、目星ああればつけてロールね」 美波「うーん、12」 GM「特に気がつくところはないね。刑事から指示されたところを撮影していくわけやね」 美波「何も情報が得られないのはなぁ」 鳴神「気づかんかったんだから仕方がない」 案出留「机の上のメモとかは?」 GM「こらこら、いないんだから調査に口出ししない。一応刑事が調べた限りでは使われた形跡はない」 波多「前、使われてましたよね」 GM「それは、クトゥルフ編の場合。別の話だからごっちゃにしないの」 案出留「状況証拠だけなら、自殺に見えるけど」 結城「死体見聞に呼ばれたりは?」 GM「今あんた、誠の治療に勤しんでいるやん。一応、ひと通り撮影したら遺体は降ろされるよ」 ・シンキングタイム GM「さて、一通りの事件は終った。ブレーンストーミングしていいからシンキングタイムだ」 案出留「ピースが断片的過ぎて思いつかんのやけど」 鳴神「まぁ、一つづ考えることかな。犯人が誰かという事では考えられんやろ」 案出留「GM、犯人は単独?」 GM「そこから考えるんだよ」 大宇曽「そう言われると、複数と言ってるようなもんですね」 GM「そうとは言ってない」 波多「とりあえず順番に、ですかね」 結城「最初って誰やっけ?」 案出留「オイ」 波多「忍さんですね。銃で撃たれたんですね」 美波「誰が撃ったかやな。意外というなら岸恵子」 GM「(そっから離れん奴やなぁ)」 鳴神「自分の娘を撃つか?」 案出留「実は義理の娘」 GM「(マジなのか、ボケなのか区別がつかんなぁ)」 大宇曽「それ以前に、自殺を試みてる事と、子供が出来ている事、忘れちゃだめですよ」 美波「本当は、誠を狙ってたんだけど、間違われたとか」 GM「(そう考えるのは想定内)」 美波「いや、もっとらしいの思いついた。誠の自演で誠が実は撃った」 鳴神「後のことを考えると、それも考えられるけど動機やな」 案出留「子供が実は誠の子供じゃない、とか」 鳴神「それなら、こんな衆人環視の環境じゃ、事件を起こさないよ。俺ならこんなとこで事件は起こさない」 波多「その方が筋が通ってますね」 美波「そういや、元々、こんなゴージャスな披露宴は開くつもりはなかったというのがあったな」 鳴神「誰が銃を持ってたかと言うので考えてみる?この後の事件を先に考えることになるけど」 美波「それがいいかも」 案出留「とりだされた弾丸は、同じものらしいけど、ライフルマークの確認は取れてないんやね」 GM「案出留、本来ならライフルマークって事にも知識チェックいるとこやぞ。今回はいいけど。結論だけ言うならライフルマークの照合は出来てない。同じ型式の銃なら同じ弾丸になるかもね」 美波「銃は二丁あった、ひとつは犯人でひとつは雷蔵が持ってた」 大宇曽「そんな偶然、あるんでしょうか」 美波「トカレフとか」 鳴神「それなら、薬莢が見つかってるハズぅ。というか、昭和30年にトカレフがバンバン出回ってるはずがないぃ」 美波「それもせやな。ただ雷蔵が撃ったっぽい発言はあるんだよな」 案出留「消炎反応」 鳴神「あえて言うなら、消炎反応を調べられたとして雷蔵しか見つからん可能性もある」 波多「そういえば、雷蔵の腕に打撲痕が有りましたよね」 結城「そういやあったな」 鳴神「雷蔵が銃を持ってたのは間違いないと思う。それを奪われたというのがスジじゃないか?」 波多「じゃあ、雷蔵はなんで忍と志乃を撃ったかですね」 美波「理由は深い謎があとから解説されるねん」 結城「志乃はそうかも知れんけど、忍は娘やぞ」 美波「それも理由が解説される、はさすがに苦しいか。ということは、今、銃を持っているのが犯人」 GM「ちなみに銃は見つかってないからね」 鳴神「というか、ここ以降銃を使った事件はないから処分されたんやと思う」 波多「その方が、らしいですね。まぁ、犯人は複数なんでしょう」 大宇曽「という事は、弁護せなあかん雷蔵は死んでるから弁護できないですね」 案出留「犯人複数として、雷蔵のほかは誰?」 波多「誰でしょう」 美波「そういや、忘れてたけど行方不明のがおったな」 波多「根津さんですね」 結城「全部メモしてるんなら教えてくれよ」 波多「繋がりがわからないんですよ」 案出留「その繋がりを埋めたいんやけど」 美波「色々と言ったけど、そこが推理なんやろうな」 鳴神「まぁ、誠や鉄也のの事も不明なこと多いしな」 案出留「目撃者とか調べへんの?」 鳴神「調べるだけ無駄。目撃者がいないんだから。おったら話しに出てるはず」 波多「手がかりが無いのでわかりません」 大宇曽「まぁ、自分は犯人を弁護するだけなんで」 ・そして名探偵の推理 GM「では、名探偵の推理、というか解答を」 (この頃でしたっけ「名探偵、皆を集めて、さてと言い」という川柳がでたのは) 以下につきましては各プレイヤーの発言を削除しました。 お話、トリック、背景がボケない為ですね。 GM「『この限られた空間と情報からこの事件のあらましを組み上げるには、欠けている項目を想像力豊かに考えるしかありません。もし、間違っている所がありましたら迷わず指摘してください』『で、金田一さん、犯人は?』『その前にこの事件には複数の犯人がいます、それも共犯関係のない。これだけの事件を一人で行うのは不可能といってもいいでしょう』」 GM「『今回の事件ではたくさんの方が命を奪われました。一つ一つの事件を紐解かないことにはこの事件のあらましを解くことも難しいのです』」 GM「『まず、第一の事件、花嫁の忍さんの殺害です。これは今となっては関係者が皆亡くなっているので想像に過ぎません。この件は偶然がなければ他の事件として処理されるべきものです』」 GM「『警部さん、思い出してください。忍さんの解剖所見です』『確か、致死量の睡眠薬を服用した状態で心臓を拳銃で撃ち抜かれた、でしたね』『そうです。そこが問題だったわけです。忍さんは自殺を図っていたということが大事なんです。拳銃で撃たれたのは偽装でもなんでもなく、偶然だったと考える方がシンプルに考えられるんです』『しかし、金田一さん、幸せの絶頂のハズの新婦が・・・一体なぜです』『そこです、そここそが新婦がなぜその様な行動を取ったのかという謎に突き当たるわけです』」 GM「『それも大事ですが、金田一さん。忍が撃たれたとして、その犯人は一体誰なんですか?』『これはもう想像の域を出ませんので、あとづけ捜査をお願いするしかありませんが、根津さんではないでしょうか?』」 GM「『船から消えた根津ですか?』『これはもう遺体が出ないことには証拠にはなりませんが、根津さんも殺された、と考えるのが普通ではないでしょうか?』」 GM「『君は根津まで殺された、というのかね』『ええ、そうです。根津さんは、ロイヤルスイートで何か秘密を知ったんでしょう。元々、根津さんは泥棒かそれに類するものだったのではないか、というのが推理です』」 GM「『じゃあ、根津は秘密を知ったから殺された、とでも言うのかね』『いえ、そうではないと思います。根津さんは、知った秘密を利用してある人物を脅したんだと思うんですよ、所がそこで別の犯人に逆に殺された、と私は、見ています。』」 GM「『君、第二の事件の志乃殺しは拳銃を使われていたんだよ。根津じゃないのかね。根津が脅した相手は志乃・・』『いえ、志乃さんを脅したからといって得られるものは無いでしょう』『う〜ん、確かにそうだが』」 GM「『志乃殺しの真犯人は拳銃を用いることで根津さんに罪をなすりつけようとしたんじゃないでしょうか?』『では、誰が志乃を殺したんだね』『これも想像の域を出ませんが、嵐山氏ではないでしょうか?』」 GM「『君、嵐山氏は第三の被害者じゃないか、それがどうして』『何度も言いますが忍さんの事で脅して一番金になるのは誰か、という事ですよ』」 GM「『はぁ、なるほどねぇ。で、根津は返り討ちにあったと言うのだね』『あくまでも想像の域で、です。こればかりは根津さんの遺体解剖が出来ないと確固たる証拠にはなりませんが』」 GM「『忍さんと志乃さんを撃った拳銃の弾は同一のものだった。君、嵐山氏を撃った弾も同じ拳銃とされているのは?』『あくまでも想像の域で根津さんが持ち込み使用、それを嵐山氏が奪って志乃さんを殺すのに使用された。所がそこで別の犯人に奪われ嵐山氏は撃たれたんじゃないかと思ってますよ』」 GM「『君ぃ、ややこしいな。つまり、凶器の使用者が犯行ごとに変わったということかね』『それがこの事件をややこしくしてしまった原因でもあるということです』」 GM「『では、凶器が発見されればその確証が見つかるかもしれんのだな』『もう、無理だと思いますよ、瀬戸内海全部をさらうなら見つかるかもしれませんが』」 GM「『つまり、犯人が海に捨てたというのかね』『弾も無くなったからなのか、別の理由があるのかわかりませんが、船を捜索して見つからないとなるとですね』」 GM「『では、嵐山氏を殺害したのは誰だね。』『それについては一旦おいておく事にしましょう』」 GM「『よ〜し、分かった、犯人は自殺した鉄也だ』『警部さん、それは違います。巧妙に仕組まれていますがあれは自殺偽装です。もしかすると真犯人は、その誤解を期待していたのかも知れませんが』」 GM「『鉄也が真犯人でないとするなら一体誰なんです?それに新郎の誠を襲った犯人は』『誠君です』」 GM「『君、誠は襲われて瀕死の重症を負っているんだよ。その誠が犯人だというのかね、動機は?』」 GM「『これは証言が得られないので想像に過ぎないんです。ですが、積み上がった事実は誠くんが犯人足りえる動機がいくつもあるんです』」 GM「『誠くん、君が犯人だね』『先生に隠し事はできなさそうですね。すべての事件ではありませんが、僕が犯人です。』」 GM「『どこまで本当のことなのかわかりません。僕も聞かされたことから類推したこともあります。僕の動機は復讐です。忍を失った事、志乃から聞かされた身もよだつ事実。そして姉のこと』」 GM「『姉の自殺、それは鉄也が原因でした。姉は鉄也に汚されたことを悔いて死んだんです』」 GM「『忍とのことは他意はありません。鉄也への復讐はほっといてと鉄也がどうにもならなくなることは分かっていましたから』」 GM「『ですが、自分の出生の秘密を志乃に聞かされた時は目の前が真っ暗になり、まさに絶望しました。それに追い打ちをかけられたのが忍の自殺です。多分、聞かれていたんだと思います』」 GM「『僕の出生の秘密、今となっては何が真実なのか調べるすべはありません。笑いますよね、僕が嵐山雷蔵の子供だって言うんですから』」 GM「『23年前の事件の時の子供だと志乃は言ってました。ただ、志乃も最初はこの秘密を墓まで持っていくつもりだったのです。そこで、ありえない事が起こってしまった。僕が嵐山雷蔵の子の可能性がある中で、結婚する相手が嵐山雷蔵の娘というのであるので告白せずにはおれなかった、というわけですよ。忍の解剖結果から忍のお腹に自分たちの子供がいた、ということから忍が事実を知った上で自殺を図ったと僕にはわかりました。』『血の繋がった兄妹の子供を身ごもったというだけで絶望したのかもしれませんね』」 GM「『忍との生活があればそれでよかったのに嵐山の血はその小さな望みも打ち砕いたんです。だから、僕は嵐山の血への復讐を果たしたんです。こうなると姉のことも許せません、鉄也を自殺に見せかけて殺しました。ボヤ騒ぎもロウソクを使ったトリックを使いました』」 GM「『復讐を終えた自分はもう生きる気力を失っていました。本当はこのこともあの世まで持っていくつもりだったんです』」 GM「『誰かに殺され、事件は終わり、全ては闇の中にするつもりでした、助かる必要もないのに。金田一さん、あなたの推理、事実に間違いありません』」 GM「一旦は持ち直した誠だったが、生きる気力をなくした彼はそのまま衰弱して死んだ」 プレイヤーたちの推理ですか? それはまぁ記憶の彼方なので置いておきましょう。 書き上がってないのに後書き 月日は百代の過客にして、行かふ年も又 旅人也とはよく言ったものです。 まぁ、プレイした日から数えて過ぎ去った日々を忘れるくらい放置していた、というわけですが この元々の原案は大学時代、勉強もそこそこにTRPGにハマっていた頃にこんなスタイルのTRPGができないものかと思い立ったのが始まりですね。 その当時は丁度平成横溝ブームの来る前ぐらいで、原作本といえば古本しかなく、また悪いことに小遣いなどバイトはしていましたが、余計なものばかりを購入して、平たく言い返せば古本ですらなかなか買えないという始末。 ただ、昭和横溝ブームの名残で、横溝正史シリーズ全作再放送に、古谷一行氏の新作や、石坂浩二氏の再放送に恵まれてその世界観を再現できないかと色々考えたものです。 一番の問題といえば、RPGのシステムがなかったので創作するということをしたわけです。 基本ベースとしてはソードワールドRPGが、ベースなっています。 理由は、他のRPGはファンタジー世界での戦闘部分しかシステム化されていなかったというのがあるんですね。 なら、他のRPGをも巻き込んで組み合わせた独自のRPGを作ったというわけです。 それもこれも、一つには長年夢だった金田一RPGの実現があったからですね。 システムがあってもシナリオがなければRPGになりません。 金田一耕助が不自然なく登場し、複雑怪奇な事件を創造する必要がありました。 友人に猟奇探偵と突っ込まれたことが、ホームページで猟奇探偵倶楽部という名前をつける事になったわけですが、それは余談。 そのアイデアをその時点で映像化されたものから色々と組み合わせてゲームのシナリオとして作り上げるのは容易ではありませんでした。 ゲームである以上、プレイヤーが考えないといけないという点はもちろん注意して組み立てました。 耕助だけがわかったのではゲームになりませんし、探偵RPGである以上プレイヤーも探偵だってことです。 シナリオを組み立てている間に平成横溝ブームはやってくるわ、仕事に追われて時間はないわで苦労しました。 それでもプレイにこぎつけたのはどうしてもやりたかったという強い思いにとりつかれていたからですね。 シナリオに関して偶然というか、事件の発生年を昭和30年にしたのは、ほんとに偶然です。 これを書いている時はもう、耕助の事件簿はひと通り読んで内容も猟奇探偵倶楽部に未完とはいえ、纏めてますから跡付けになるんですが、割烹松月と緑ヶ丘荘の合間の事件になってしまいました。 金田一事件簿としてというより、世相反映から事件年は想定したので合って、このシナリオを作り上げたときは松月は知っていても、緑ヶ丘荘は知らなかった、という事を追記します。 多分、プレイ当時(92年末)日本では唯一の探偵RPGだったのではないかと自負してます。 このあとには、ソードワールドでも、デュダRPGが出ましたから世の中、そういう流れがあったんでしょうね。 マンガのサスペンス大ブームも来ましたし。 発表が遅れたのでパイオニアになれなかったのが残念です。 長年埋まっていた作品ですので必要な事項をいくつも追記してます。 また、まだ、未執筆の部分のほうが多いです。 他の作品も書きながらなので完成するのはいつのことだか。 ほぼ、流れは書いてありますし、事件などの設定は記録が残ってます。 ですが、ここのキャラクターが何をどうしたと言うのは記憶の彼方です。 プレイヤーの性格からキャラクターを動かしていくという創作活動がまるまる残ってます。 意外とつかれるんですよ、これ。 日がたち過ぎましたね。 でも何とかしたいと思います。 これだけやっても読んでくれる人はわずかですからね。 自己満足以外の何者でもないですよ、ほんと。 この作品の執筆には並列作品であるクトゥルフ版とのすり合わせを殆してません。 クトゥルフ版はプレイ後に早い段階で仕上がっていました。完成度は高くありませんでしたが、プレイの臨場感があります。という事で、本来であればこちらに合わせて校正し直すべきなんでしょうがやめました。 そういう意味ではこちらを校正する方がいいだろうという事です。 一応、ベースとなるシチュエーションは同じで別の作品になるということを証明したかった訳です。 というわけで、書き上げた後の本当のあとがき あとがきだけでかなりの分量食ってますね。 プレイヤーの行動の大半が記憶の彼方ということもあって、プレイヤーの言いそうなことから実質創作しました。 この作品のシナリオ原稿はすべて揃ってましたから、それをもとに再構築するのはあまり苦労という程のものはありませんでした。 プレイヤーキャラクターが勝手に動いてくれましたから。 それは、このプレイに限らずほかのゲームのプレイヤーの癖が出たというところでしょう。 発言の多い少ないはありますが、元々のプレイヤーの声の大き差とも言うべきものですから。 シナリオと事件に関しては少しいじりました。 理由は、この本文部分は歯抜けの状態で、プレイ直後に記載していたのですが、話の順番に書き続けるのがしんどく、邪道ですが、重要な結末部分、つまり、金田一耕助による模範解答を書き上げたんです。 あと、本来であれば校正して、書き上げた部分をあとから書いた方式に修正すべきなんでしょうが、力尽きました。 その部分は、プレイヤーキャラクター以外の登場人物同士の会話です。GMの発言だからということでまとめてましたが、後々書いていくうちにト書き形式でまとめちゃったからですね。 今回は、敢えて統一するのをやめました。 リプレイとしてらしい方法という事です。 途中で崩れましたが。 まぁ、手探りですすめたミステリーRPGですが、結果としては落第でしょうね。 プレイヤーキャラクターが傍観者で事件にほとんど関われなかったと言うのが理由です。 この辺りは、ソードワールド・デュダRPGを参考にしたほうがいいでしょう。 プレイヤーキャラクターが事件にちゃちゃ入れ出来る余地はあった方がプレイヤーは積極的に動くと思います。 その代わり、事件を根本的にひっくり返される(シナリオ崩壊)覚悟が必要ですね。 今回のコンセプトは、プレイヤーキャラクターの知りえない情報を与えることで、事件のあらましを色々と考えて貰うことで、どんな意見が飛び出すかと言うのをGM含めて楽しめればいいというものでしたから。 一つの解ではありますが、案出留や波多のように何にもできなかった(行動を思いつけなかった)ことは反省点でしょう。 誠の出生の秘密について触れていないことが事件の全容を見えなくしてプレイヤーが真実に辿りつけないからアンフェアだと思うかもしれません。 これを組み立てるのに「悪魔が来たりて笛を吹く」を参考にしたのは事実です。 もっと言うならば、悪魔が来たりて笛を吹くの小夜子の自殺から忍の自殺を彷彿とさせてます。ただ、悪魔が来たりて笛を吹くは映画になりこそすれ市川作品ではなかったのでプレイヤーの持ってる情報にはなりえなかった、というわけです。ヴィルヘルムマイステルを出そうにも、誠や忍が、その事実を知ったのが披露宴の後という設定ですので、出すわけにもいかなかった訳ですね。 忍の自殺の真相を深く考えるという事で、秘密に辿り着くように考えたわけです。 自己満なのですが、キャストさせてもらった人のうち花嫁役に牛島さんを当ててましたが、それは古谷一行2時間ドラマ版本陣殺人事件で配役されてたからですね。 でも、今のネット情報があれば、金田一モノに登場していませんが、特撮ヲタにおなじみの柴田時江さんもありかなと。 なんと山本昌平さんの実子とのことですよ。 親子役とするのもありだなぁと思いましたよ。 まぁ、電撃戦隊チェンジマンで共演されてますが。 情報の氾濫は凄いですねぇ。 こんな事、あの当時全くなかったですからね。 なお、最後になりましたが、この作品を制作、実プレイしていた頃は普通に存命だった配役した役者さん及び監督、スタッフの何名かはもうお亡くなりになられています。 存命中に仕上げられなかった事が本当に悔やまれて仕方ありません。 亡くなられた方々のご冥福をお祈りすると共にご遺族の方々には他意のないことをご理解頂くようお願い申し上げます。 また、実在の役者さんを始めとして取り上げたのにも他意はない事をご理解下さい。 プレイヤーのセリフによっては悪意があると取られかねない表現がありますが、過去の作品での配役のイメージを語っているに過ぎません。 あくまでもこの作品によってそれぞれの個人の悪評流布を目的としているわけではない事をご理解ください。 マルチワールド・クトゥルフ http://www1.odn.ne.jp/pepo/novels/new.htm メッセージはこちらまで http://miporinpepo.dyndns.org/cgi-bin/novels/k-taibbs.cgi